「ユキさんの子そだち・米そだち・ニラそだち日誌」 第1回・春

本日より新連載エッセイが始まりました!天栄村で夫婦二人三脚、お米とニラ、ウコッケイ、そして二人のお子さんを育てているユキさんが、農作業の様子や天栄村の暮らし、そして家族や村の方々との心の触れ合いを生き生きと文章と写真につづっています。
ぜひ、ご覧ください!

(掲載ペースは季節ごとに1本の予定です)

春です!茶色ばかりだった冬景色から、オオイヌノフグリ、スミレ、たんぽぽ、スイセン、ムスカリ・・・色とりどりの花々と優しい緑の葉や草が辺りに広がり、ウキウキ気分にしてくれます。くちばしに藁を加えているセキレイが庭にいるなーと思ったら、作業所の軒下に巣を作っていました。78歳の義父母曰く「セキレイは幸せを運んでくれる」そう!きっと、いいことあるね!

▲幸せを運ぶ鳥 セキレイ

さて、4/1は家族総動員、ご近所の方にも手伝っていただき、ニラの種まきをしました(我が家は11~3月、ハウスニラの出荷をしています)。小学6年生になる娘、4年生になる息子も3年目の今ではすっかり仕事の手順を覚え、なくてはならない存在になりました。皆で協力してまいた種は、5月末に畑に植える日までビニールハウスの中で育てます。

そして桜が咲くころ、ご近所親戚4軒“結い”で行っている、米の種まきが始まります。4/13の我が家の種まきには17名の方々が集まってくださいました。それぞれの年齢性別に合った持ち場を担当し、皆でワイワイ賑やかに作業します(夫と私は密かに神経張り巡らしていますが・・・ )。午前と午後の一服も楽しみの一つ。丸一日かかりましたが、米の種がまかれた1400枚の苗箱が、ビニールハウスにきれいに並びました。こちらもGW明けの田植まで、ビニールハウスで育てます。

▲米の種まきの準備をしている透公さん(写真は去年のものです)

20度を超す暑い日があれば、雪が積もるほど寒い日があったり、強い風が吹き荒れる日もある4月。ビニールハウス内の温度は天候によって急に上がったり下がったり。赤ちゃん苗を守るため、義母が24時間こまめに温度管理をし、日中は水やりもしてくれます。ハウスの隣の畑には様々な苗を植え、家族のため、たくさんの野菜も育ててくれています。

その間に夫は、田の畔を何度も歩き有機肥料をまき、ニラ畑にたい肥を入れ、田に水を入れるため水口を確認・準備をし、早朝から田へ何度も行き来し水を入れ、ようやく代掻きが始まります。義父と私は、ニラ畑に肥料をまき、たい肥場からたい肥を運んでは畑に入れ、ニラのハウスのビニールは冬場だけ使うので乾かして片付けて、苗を植える畑をトラクターで耕して。加えて、米の販売・精米発送作業、支払い関係で郵便局や農協へ行き帳簿をつけて…毎日天気予報をチェックし、優先順位をつけて、仕事をこなしていきます。かわいいなと眺めていた庭の草花も、いつの間にやら雑草と化してきました。あ~、草むしり草刈りの季節到来だ!

そしてGWに突入。子供たちは学校が休みなので、この原稿を書いていると絶えず仕事部屋に来て
「ねー、何しているの?」
「ねー、お昼ごはん何?」
「ねー、足が筋肉痛で痛いの」
「ねー、田植えはいつからするの?」と、「ねーねー」攻撃が始まります。

「宿題は終わったの?(部屋に追いやる作戦)」と聞くと
「今日の分は終わったよー」(作戦失敗?!) 

気分転換にと、子供たちと自転車で田んぼ道を走りに行きました。

「ねー、お母さん!きれいだよー」

水が入った田んぼに青空と白い雲が映り、大きな鏡のよう。今しか見られないこの景色。ここに住んでいるからこそ見られる景色。早速セキレイがささやかな幸せを運んでくれた、4月の終わりのことでした。

書き手:石井友紀(いしい ゆき)

兵庫県赤穂市出身、天栄村在住

2005年4月NPO法人地球緑化センターのプログラム“緑のふるさと協力隊”として
一年間天栄村で住民として暮らす。

TFC稲穂メンバーの石井透公と出会い、2006年9月結婚。
夫婦二人三脚、お米、ニラの栽培に取り組んでいます。

趣味は旅行。実家に帰省がてら、名所めぐりをすることが楽しみ。